離婚届の書き方

離婚届の用紙

離婚届の用紙は、市区町村役場の戸籍課にあります。離婚届の提出に手数料などの費用は一切かかりません。

離婚届提出先の役所

離婚届の記入上の注意

離婚届は消えにくいボールペンなどで記入します。
書き間違いに備え、離婚届の左余白に届出印を押す箇所があれば捨印を押しておきます。届出印を押す箇所がない場合で間違えたときは、修正液や修正テープではなく、二本線を引いて署名押印欄で用いた印鑑を訂正印(協議離婚の場合は夫婦双方の印鑑)として押し、上の余白に訂正内容を記入します。

届出日 離婚届を提出する年月日を記入します。離婚届が受理された日=法律上の離婚した日になります。調停離婚、審判離婚、裁判離婚の場合は、確定の日から10日以内に提出する必要があります。
郵送で離婚届を提出するときは、発送日を記載します。
氏名・生年月日 離婚前の夫婦の氏名を戸籍に記載されているとおりに記入します。戸籍上の氏名が旧字体の場合は、新字体に省略せずに記入します。生年月日は、元号で書くのが一般的ですが、「昭和」を「S」と省略することはできません。
住所 住所は離婚届を出す時点で住民登録をしているところ(住民票に記載されている住所)を「番地」や「字」なども省略せずに記入します。
本籍 夫婦の本籍地と筆頭者の氏名を戸籍に記載されているとおりに記入します。筆頭者とは、戸籍の一番はじめに記載されている人のことです。
父母の氏名・父母との続き柄 夫婦それぞれの「実父母」の氏名を記入します。父母がすでに亡くなっている、あるいは離婚している場合でも記入が必要です。父母が婚姻中の場合は、母欄は名のみ記載します。
父母との続き柄は、「長男」「長女」など離婚する本人と父母との関係を記入します。
離婚の種別 協議離婚・調停離婚・審判離婚・裁判離婚かを選択します。
協議離婚以外は、次の書類を添付する必要があります。
  • 調停離婚・・・調停調書の謄本
  • 審判離婚・・・審判書の謄本、確定証明書
  • 裁判離婚・・・判決書の謄本、確定証明書
婚姻前の氏にもどる者の本籍 もとの戸籍にもどる(親の戸籍に再びもどる)、新しい戸籍をつくる(自分の戸籍を新たにつくる)かを選択します。離婚後も婚姻時の姓を使用する場合は、この欄に記入せず、離婚届と同時か離婚成立後3か月以内に離婚の際に称していた氏を称する届を提出します。
未成年の子の氏名 離婚をする際に未成年の子供がいれば(成人に達していれば問題になりません)、父か母のどちらかを親権者に決めなければなりません。
未成年の子供が複数いるときは、一方の親が全員の親権者になるのが原則です。親権を分けるのは、子供がある程度の年齢に達しているときと、やむを得ない事情がある場合です。

離婚の場合、身上監護権の部分を親権から切り離し、親権者とは別に監護者を定めることができます。監護者は親権者と違い、離婚届には一切記載されませんから、協議離婚の場合は、必ず公正証書を作成しておきましょう。
同居の期間 結婚式をあげた年月または同居を始めた年月のうち、どちらか早い方を記入します。同居を始めた時期が不確かな場合は、覚えている範囲でおおよその年月を記入すれば問題ありません。
別居をしていない場合は空欄か、転居日が決まっている場合はその年月を記入します。
別居する前の住所 離婚届を提出する前にすでに別居している場合は、夫婦が同居していたときの住所を記入します。別居していない場合は、記入する必要はありません。
別居する前の世帯のおもな仕事と夫婦の職業 国勢調査をする年の4月1日から翌年3月31日までに離婚届を提出する場合にのみ記入します。 国勢調査は5年に1度、「5」で割り切れる2020年(令和2年)などに実施されますので、記入する必要がある年かどうか確認します。
その他 父母が養父母の場合はここに記入します。父母の氏名と同じ書き方で記入します。
届出人・署名押印 署名押印は必ず本人が行います。印鑑は夫婦別々の認印で構いません。

夫、あるいは妻が離婚届に勝手に署名押印し、この離婚届が受理されてしまった場合は、家庭裁判所に離婚無効の確認を求める調停を申立てます。この調停の場で相手方が無効であることを認めれば離婚は無効になりますが、そうでないときは、地方裁判所に訴訟を提起することになります。無事に離婚の無効が認められたら、判決内容が記載された謄本を役所に提出し、戸籍の訂正をすることになります。
成人2人の証人 協議離婚の場合のみ必要です。
証人は、親族、友人・知人等の誰でもよく、夫婦いずれの関係者であるかは問われません。
証人2人に署名押印してもらい、夫婦であるなど同姓の場合は同じ印鑑にならないようにお願いします。

離婚届を勝手に提出されないために

離婚届は、記載ミスがなければ簡単に受理されてしまいます。夫、あるいは妻が離婚届に署名押印した後に離婚の意思がなくなったとしても、相手方が離婚届を提出すれば、自分の意思に反した離婚届が受理されます。

これを防ぐには、不受理申出書を市区町村役場の戸籍課に提出しておきます。不受理申出書を提出しておくことで、相手方が離婚届を提出しても受理されずに済みます。不受理申出は取り下げるまでは無期限で有効です。その後、離婚の意思が固まったときは、取下書をもって撤回することができます。不受理申出書の用紙は、市区町村役場の戸籍課にあります。不受理申出書の提出に手数料などの費用は一切かかりません。

不受理申出書提出先の役所

  1. 原則として自分の本籍地 ≫ 不受理申出書1通
  2. 本籍地以外でも可 ≫ 不受理申出書2通

2. の場合は、不受理申出書を受け付けた役所が本籍地の役所へ書類を送付しますので、この間に離婚届が受理されてしまうことがあります。このときでも離婚は無効になりますが、その確認には時間を要することになりますので、直接本籍地に提出されることをおすすめします。

離婚届が詐欺・脅迫によるときは

離婚届が詐欺・脅迫によるときは、離婚の取消を家庭裁判所に求めることができますが、取消事由となるに過ぎず、取消されない限り有効とされます。取消を求めることができる期間は、当事者が詐欺を発見し、若しくは脅迫を免れた後3ヵ月以内で、この期間が経過すると取消権は消滅します。また、詐欺・脅迫による離婚届を追認したときも取消権は消滅します。